歴代ロータスF1マシンをご紹介していくLOTUS F1 FILE。第12回目となる今回は、セミオートマ・システム、4ペダル、ダブルウイングなど、様々な新機軸を打ち出したタイプ76の登場です。
LOTUS 76
4シーズンにわたり使用されたロータス72の後継車として1974年に発表。メインスポンサーであるタバコ銘柄のJohn Player Specialにちなみ、正式な呼称はジョン・プレイヤー・スペシャルMk1とされた。当時のドライバーはロニー・ピーターソンとジャッキー・イクスの2名。
メカニズム的には、トーションバー・サスペンションやインボードブレーキなど72から流用した部分も多かったが、デルタ形のアルミ・モノコック、複葉式のリアウイングなど、さらなる軽量化や空力性能の向上に力が注がれていた。また新機軸としてヒューランドFG400に電磁クラッチを組みあわせ、シフトノブのボタンでクラッチ操作を可能としたセミオートマ・システムを搭載。ステアリングシャフトの左右に左足用、右足用のブレーキペダルを配した4ペダル式を採用することで、ドライバビリティの向上を狙ったものであった。しかしながらイクスが4ペダルの使用を拒否するなど問題も多く、実戦ではデビュー戦となった第3戦南アフリカGPでピーターソンが使用(スタート後の1コーナーでチームメイト同士が絡みリタイア)されたのみでお蔵入りとなった。
その後通常の3ペダルMTに戻され、非選手権のシリバーストーン・インターナショナル・トロフィー、第4戦スペインGPなどで一時トップを走る活躍をみせるものの、戦闘力不足から非選手権を含む7レースに出走しただけで、72Eに替えられてしまった。最高位は第11戦ドイツGP(72Eとのハイブリッド仕様)での4位。
実働状態に保存されているアンドリュー・ビューモントの76/1。電磁クラッチのセミオートマは廃され、通常のヒューランドFG400 5速に戻されている。
ペダルも通常の3ペダル式に。インボードブレーキと特徴的なデルタ型アルミ・モノコックのディテールがよくわかる。
リアのダブルウイング。残念ながら期待した効果はなかったという。
エンジンはおなじみのコスワースDFV。475bhpを発揮していた。
タイプ76の生産台数はわずか2台。アンドリュー・ビューモントの76はJPS9と呼ばれたシャシーナンバー76/1。写真は2017年のRICHARD MILLE SUZUKA Sound of ENGINEで走行した時のもの。
●LOTUS 76 Specification
・ 生産台数:2台
・ エンジン:フォード・コスワースDFV V8
・ 排気量/形式:2993cc V型8気筒 DOHC
・ 最高出力:475bhp
Team Lotus - The Formula 1 Cars Book CTL FESTIVAL EDITION
1/43 Lotus76 Presentation R.Peterson
1974年2月にロンドン・シアターを借り切って行われた発表会の模様をモデル化したもの。
特徴的な複葉リアウイングのほか、John Player Specialのロゴマークも完全再現。
マシンの傍らには当時ナンバー1ドライバーとしてチームを引っ張っていたロニー・ピーターソンのフィギュアが付いた特別仕様です。
●1/43スケール レジンモデル
●プラネックスコレクション完全オリジナル新型フィギュア
●限定500個