2012 Goodwood Festival of Speed - LOTUS F1 FILE 06
2012年のGoodwood Festival of Speed に集った歴代ロータスF1マシーンをご紹介していくLOTUS F1 FILE。第6回目となる今回は、革新的なフォード・コスワースDFVを得て黄金時代を築いた傑作、ロータス49をご紹介します。
LOTUS 49
グッドウッドでのロータス49/R2。
ドライブするのは1968年にこの個体でレース経験のあるジャッキー・オリヴァー。
1966年から3リッター・レギュレーションが施行されることになり、これまでコヴェントリー・クライマックスに頼ってきた英国系のコンストラクターたちは、急遽新しいパワーソースを探す必要に迫られた。ロータスは当初複雑で重いBRM H16ユニットを採用するが、H16を搭載したタイプ43は名手クラークをもってしても、USA.GPで1勝を挙げるに留まった。
そこでチャップマンは、新たな3リッターユニットの開発をキース・ダックワースとマイク・コスティン率いるコスワースに持ちかける。こうしてフォードの資金援助のもと完成したのが、3リッター 90度V8DOHCのコスワースDFVユニットである。
チャップマンとモーリス・フィリップは、このDFVもシャシーのストレスメンバーの一部とした軽量、コンパクトなタイプ49を設計。のちのF1マシンのデザインに革命をもたらした。
シーズン途中のオランダGPに登場した49は、グラハム・ヒルの手でコースレコードを遥かに上回るラップを刻みポールを獲得。レースではクラークが独走し、デビューウィンを飾った。その後、残りの全レースでポールを獲得し、シーズン4勝を挙げた49だったが、タイトルはブラバムに僅かに及ばず2位に終わった。
グリーン×イエローに塗られた49/R2は、67年のオランダでデビューウィンを飾ったexクラーク車そのもの。その後イギリスGPでも優勝を飾り、シーズンオフにタスマン仕様の49Tスペックとなってクラークとともに転戦。68年にジョー・シファート、ジャッキー・オリヴァーのレースカーとして活躍したあと、68年シーズンオフ時に49Bスペックにアップデートされ、シャシーナンバーも49/R11に改められた。近年CTLでレストアが施され、49/R2に戻されている。
49/R6をドライブするE.フィッティパルディ。
彼が70年のイギリスGPでF1デビューを飾った時の愛車も49Cだ。
翌1968年シーズン。開幕戦の南アフリカでクラークが優勝し、幸先のいいスタートを飾るが4月にホッケンハイムで行われたF2レースでクラークが事故死。ヒルがナンバー1になると同時に、ゴールドリーフ・タバコがスポンサーとなり、F1界に初めてフルスポンサーカラーのマシンが登場した。
またモナコGPからはリアサスペンションの改良、ホイールベースの延長、ウイングなど空力の改善、ヒューランドFG400ギアボックス(それまではZF)の採用などを施したBスペックが登場。
ヒルはモナコを含むシーズン3勝を挙げ、ドライバーズ&コンストラクターズの2冠に輝いた。
その後、70年には13インチ化やアップライトの改良が施されたCスペックに進化。グッドウッドに現れたゴールドリーフ・カラーの49/R6は、68年にオリヴァーのレースカーとしてデビュー。その後ヒルのレースカーとなりメキシコで優勝。69年以降はヨッヘン・リントのレースカーとなりUSA.GPで優勝。70年にCスペックへ進化し、モナコでも優勝を飾っている。
最終Cスペック仕様の49/R6。
3段式となったリアウイングが良くわかる。
●LOTUS 49 Specification
・生産台数:12台(のべ台数)
・エンジン:フォード・コスワースDFV
・排気量/形式:2995cc V型8気筒 DOHC
・最高出力:410bhp
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